DRMRの日記

科学、技術、社会もろもろについて

北朝鮮核実験

北朝鮮に関してよく見られる意見として、

1.米が攻撃することはありえない。空母集めたのもただの芝居。楽観論

2.米は攻撃すべき。韓国は大変なことになるけど日本は関係ない。他人事論

3.北に対抗して日本も核武装すべき。核武装

があるが、そういうバカな意見は乗り越えて、日本の問題として取り組まざる負えないときがきたと思う。

 

アメリカが攻撃するとしたら今しかない。そのときは中途半端な攻撃ではことたりず、占領後体制変更まで踏み込むほかない。戦争の過程で日本(特に沖縄、東京)に何か飛んで来る可能性があること、戦争と占領で日本も大きな負担を負うことの覚悟が必要になる。

 

アメリカが攻撃しないとしたら、北朝鮮の核、ICBM保有を認めることになる。副次的にはテロ集団に、核が渡り中東、欧州の危機は高まるだろう。朝鮮半島は米が手を引き、日本も北朝鮮と幾らかの妥協をして共存するしかないだろう。ここで日本の核武装北朝鮮核武装を正当化するのみで、抑止効果は全く期待できない。

(この意味は、例えば核による威嚇で竹島を取り返せるか?北朝鮮が日本に核の先制攻撃をする意味があるか?もしされた場合にどこに何のために核による反撃をできるのかを考えてみるとよい。)

 

どちらの筋書きを歩んでも、明るくない未来がまっていそうだ。

 

 

 

 

 

 

都議選自民大敗そのあと

ちがうだろーの豊田、加計の萩生田、自衛隊としてもお願いの稲田、パー券の下村のイニシャルをとって"This" is 敗因といわれているそうだ。

選挙直前での四者の報道は痛手だったろうが原因を四者と片付けるとさらに痛手を負うだろう。

これだけの敗北というのは裏に相当大きなの国民の不満がある。

 

民主はこけたが、受け皿となる政党が現れれば引っくり返る。

ただしそれは保守政党になるだろう。

都民ファの面々の力では長続きはしなさそう。

 

そこで民進の保守系が割れて若狭らと合流した時の新党がキーになる。

その時、自民との差別化ポイントは老人党自民に対する世代間対立になるだろう。

維新は自民より右に行こうとして支持が広がらなかった。

 

"情報科学"研究者の姿勢について

現在の機械学習やAI関連のムーブメントに水をさすことが危惧され、個人的にも苦労したことがあるのでごく一部の人かと思いますが一言述べておきたいと思います。

  • 自らデータを集める実験屋と違ってデータに向き合う姿勢に乏しいようで、自分の提案手法の証明に都合のよいベンチマークセットを使い、現実のデータや計算負荷を考慮しないので実際には役に立たない手法ができる。うまくいかないとデータのせいにする。
  • ベンチマークで精度が上がりさえすればいいというスタンスでチューニングする。ハイパーパラメータのチューニングとテストは別にすべきことも理解しない。
  • 都合のよい他手法と比較して自手法が優位と主張。
  • トレース可能なようにメソッドを説明するという、科学の基本を理解していない。

 

 

AIに囲碁将棋で負けても仕事はなくならない

 AIが人を囲碁や将棋で打ち負かすニュースはAIが人にとってかわるイメージを持たせるのに十分効果的であるが、ディープラーニングなど現在AIと呼ばれるような技術に少しでも触れたことがある人であればAIが人にとってかわり失業するといった脅威が簡単に訪れるとは思わないだろう。

 

  1. まず第一に、囲碁や将棋が人間しかできない知的なゲームとの印象をあたえてきたことがあげられるがこういうゲームは本来計算機がとっても得意なものだ。
  2. 得意な理由はルールが決まっていて世界が盤上にかぎられていることだ。怒って将棋盤をひっくり返すような人は考慮しなくてもよいのだ。現実の世界はこれほどルールや境界がはっきりした問題は稀で、しばしばそれらは変更されてしまう。
  3. 次にいくらでもやり直しがきくゲームだということ。alphaGoなど、強化学習という方法を使ってAI対AIでの対戦で疲れ知らずにどんどん強くできる。ヘルスケアでのAIの活用と言われているが、現実の世界では試しに人に手当たり次第に薬を飲ませてみるみたいなことはできない。iPS細胞とかである程度ヒト細胞での研究はやりやすくはなってきているがAIが解決してくれるものではない。トレーニングデータが乏しいなかでは積み重ねた事実によりに慎重な演繹により解を見いだす必要があるが現在のAIに徹底的に不足している要素だ。
  4. 囲碁、将棋では必ず勝負がつくというのも見逃せない条件だ。現実の世界には解けない問題、与えられた情報だけでは解けないという問題が多々ある。というよりそういうものがほとんどだ。AIで薬をデザインするとして、その疾患に対して、そもそも治療薬が存在するのか。候補の中に含まれるかは保障されない。それにも関わらずこれまでに人間が解くことのできなかった課題、本来的に解くことのできない課題も含めて万能の神のようにAIが解決する時代が来るかのように語られている。まとめるとAIの今般の成果を示すものとして、囲碁、将棋はとても「うまく」課題設定されたものである。現代のAIの手法、計算機の能力がピタリとはまると信じ現実のものとした開発者に敬意を惜しまない。もし汎用AIというものが実現したら敬意を払うべき技術者もいなくなるところだが、幸いにして当分その見込みはないと思われる。
  5. 技術以外の要素としては経済性が大きい。もしあらゆる仕事がAIにとって代わられ失業するとしたら自動運転車を買える人もいないことになる。AIに代替するための膨大なコスト、運用コストを払うのも人間だから、無くなる職業があったとしても適当なところでバランスするだろう。おそらくソフトウェアの部分でなくロボットをつくる部分のコストのほうが大きいため、庭師のような仕事は代替されにくい。看護、介護、保育といった仕事も良いだろう。プログラマのような仕事は計算機の中だけでルールベースで行われるもののため一見代替されやすいようにもみえるが未だ自動コーディングの試みがまともに実現したことはないし、AIに関する仕事をすればよい。

最後に生物物理を学んだものとして、原理的には人間を忠実にミミックできれば、人間程度のあるいはそれを上回る能力を持つAIが開発される可能性は否定しないが、現状我々の知識は圧倒的に不足しており、何より人間も含めた生命、自然に対する謙虚さが必要だと思う。